ウルトラマラソンとは?

「フルマラソンは42.195kmで、ウルトラマラソンは100km」とも言われますが、必ずしも100kmだけを指すレースではありません。ウルトラマラソンは、“フルマラソン以上の距離”を走るマラソンであり、50kmや60kmのレースはもちろん、アメリカには5,000km近い距離を走るとてつもなく過酷なレースもあります。それでも、100kmのウルトラマラソンが最もメジャーであり、大会数も一番多いのは事実です。

フルマラソンは比較的フラットなコース設定になっていますが、ウルトラマラソンは距離を確保する理由から標高差や起伏が激しいコースになることもあります。しかし、それが大会ごとの特徴を作り、景色の変化や走り方の工夫など、大会の楽しみ方の一つになっています。

着用&携行アイテム選びのポイント

ウルトラマラソンを完走するためには、練習はもちろんですが、着用するアイテムや携行アイテム選びは非常に重要です。ランニングポータルサイト「ウルトラランナーへの道®」運営者の新澤英典さんに、アイテム毎の注意すべきポイントなどを伺いました。アイテム選びの参考にしていただけたら幸いです。

ランニングシューズ

ウルトラマラソンでは「厚底でクッション性の高いシューズが良い」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。フルマラソンを走っても脚に大きなダメージがなく、終盤でもペースが落ちない方なら、シューズを変える必要はありません。

ただし、フルマラソンの終盤に脚が持たない方は、シューズを見直す必要があると思います。特にミッドソールが柔らかいシューズは要注意です。安定性が悪く、レース後半の疲労が溜まった状態では力を地面に伝えにくいばかりか、走行姿勢に左右差など生まれやすく故障の原因にもなります。安全に行くなら、普段ジョギングで履いているシューズが良いでしょう。

また、きつめのシューズが好きな方は、サイズに気を付けましょう。長距離を走ると足がむくんでシューズがきつくなります。その状態で走ると終盤に確実に辛い思いをしますが、フルマラソンで問題ないサイズであれば、そのままで大丈夫です。ただしウルトラマラソンでは様々な理由でテーピングを使う方もいます。テーピングを使うことで通常適切なサイズであるシューズがキツくなることもあるのでご注意ください。

最近では、軽量でもクッション性の高い厚底シューズが多く出ています。自分の足にフィットし、長距離でも快適に走れるシューズを選びましょう。

ランニングソックス

最近では、2万円、3万円のシューズを履くランナーが増えていますが、ソックスに関しては無頓着な方が結構います。実はシューズ選びと同じくらい、ソックス選びも重要です。

ランニングソックスには、厚い生地のものもあれば、薄い生地のものもあります。また、形状もラウンドタイプ、5本指タイプなど様々です。以前、私のコラムで検証したことがあるのですが、薄い生地のラウンド型ソックス「TRR-20R」とやや厚みのある5本指メリノソックス「Type-MS」では、外周で約1cmもの違いがありました。生地と形状の違いだけで、シューズサイズが1サイズ以上変わってしまうことになります。このように、レース本番で履くシューズとソックスの相性は非常に重要です。

フィット感の良いシューズを手に入れたいと思ったら、いつも履くランニングソックスを履いてフィッティングすることがとても大事です。

また、素材や滑り止めの有無も注目するポイントです。
長時間のレースでは、天候や気温の変化など様々なコンディションに適応しなければなりません。例えば雨のレース。濡れた状態でのランは想像以上にストレスです。濡れてもストレスを感じにくいメリノウールや和紙などの素材選びも重要になります。
同様に、滑り止めもストレスになる可能性が高くなります。滑り止めは足にとって異物となり、トラブルの原因にもなるので、一般的には長距離を走る方にはお勧めしていません。

シューズにしても、ソックスにしても最適なモデル・サイズを選んだとしても、履き方が悪ければ台無しです。例えば5本指ソックスであれば履くときに指1本1本を先まで入れなかったり、生地にシワがよった状態でシューズを履いてしまうと靴擦れに繋がります。

たまに穴の空いたソックスを履いている方もいますが、穴が開くということはその箇所は走行中に擦れやすい箇所です。擦れから皮膚を守ってくれるソックスの生地がないのだからダイレクトに皮膚を痛めます。物を大事にすることは良いことですが、例えば補修して練習で使う。大会の時は穴が空いていないものを履くなど工夫をされた方が良いでしょう。

アパレル

長距離を長時間かけて走るウルトラマラソンでは、気候の変化や気温の変化など、あらゆる環境に対応するウェアが必要です。

吸汗・速乾性に優れたウェアは必須条件ですが、気候や気温の変化、汗冷えにも対応できるウェアが好ましいです。最近では、メリノウール素材のような調温・調湿機能を持った素材も注目されているので、気になる方は試してみてください。

また、ウルトラマラソンではフルマラソンに比べて携行アイテムが増えるため、収納ポケットが多いパンツを選ぶこともおすすめです。

ウエアに関しても、大会で携行するアイテムを全て入れて練習で走ってみてください。揺れたり、重くて走りにくいと感じたら対策が必要です。

また、高機能なウエアであっても長時間走るウルトラマラソンでは擦れが生じるリスクが高まるので擦れ防止クリームなどを塗り、大会中も携行することをおすすめします。

アクセサリー

アクセサリー類は、使い方次第でパフォーマンスを効果的にアップできるアイテムです。天候や気温を考慮した上で適切なアイテムを選びましょう。

例えば、アームカバーや手袋は、気温の変化に対応するために付け外しが簡単で便利です。寒い時には保温し、暑くなったら外して体温調節ができます。また、日焼け対策としても有効です。

さらに、ふくらはぎの筋肉をサポートし、攣りにくくするためにゲイターを履くランナーも増えています。ゲイターは、筋肉の振動を抑え、疲労を軽減する効果があります。使ったことがない方は、一度試してみる価値があるでしょう。

その他にも、ヘッドバンドや帽子は、汗を吸収し、視界を確保するために役立ちます。紫外線対策としても重要です。また、サングラスは目を保護し、長時間のランニングでも快適に過ごすために必要なアイテムです。

適切なアクセサリーを選び、状況に応じて使い分けることで、ウルトラマラソンのパフォーマンスを向上させることができます。

サプリメント

ウルトラマラソンは長時間にわたるレースのため、エネルギー補給が非常に重要です。適切なサプリメントを選ぶことで、エネルギー切れを防ぎ、パフォーマンスを維持することができます。

摂取量には個人差がありますが、ストレスなく飲めるお気に入りのエナジージェルがあるなら、自分の必要量を計算して携行しましょう。レース終盤の失速が大きい方の中には、エネルギー不足が原因の方も少なくありません。

100kmマラソンでは、私は50分に1個エナジージェルを取るようにしています。以前は10kmに1個を目安にしていましたが、前半は良いのですが、ペースが落ちてくる後半は摂取タイミングが遅くなりガス欠気味になるのを感じ、それからは時間を目安に取るようにしています。

ほぼ止まることなく100kmを走るランナーはエイドステーションでは給水のみで食事などせず、携行したエナジージェルでエネルギー補給をしますが、エイドステーションで食事をする方であれば、エナジージェルの数は減らしても良いでしょう。ただしエイドステーションに用意された食べ物が残っていないこともあるので、ご注意ください。

レース中に使うサプリメントはエナジージェルだけではなく、ウルトラマラソンでは塩分など電解質を補給するサプリメントやカフェインなど使うランナーは多いです。レースで使うのであれば練習で試してからにしましょう。

詳しいサプリメント情報は私のコラムで紹介していますので宜しければご参照ください。

Profile - 新澤英典

ウルトラプロジェクト代表。陸上経験がなく40歳からマラソンを開始。また、ウルトラマラソンやトレイルマラソンにも挑戦し、自らの経験を活かしてランニングクラブ「ウルトラプロジェクト®」、ブログサイト「ウルトラランナーへの道®」も運営。ランナーへの情報発信にも積極的に努めている。

R×L厳選ウルトラマラソンアイテム

R×Lが厳選したウルトラマラソンに最適なアイテムをカテゴリーごとにご紹介します。

ソックス

アパレル

アクセサリー

ランニングソックス

長距離を走る度にマメなどのトラブルに悩んでいるランナーの方、それソックスで解決できるかもしれません。自身に最適なソックスを探してみてください。

ウルトラマラソン専用ソックス【SUNADA】

20年間100km世界記録を保持した「砂田貴裕」との共同開発

特殊構造で超長距離や5時間以上のランニングに最適なフィット感、強度、通気性を突き詰め、ランニングソックスとしては世界で初めての1cm刻みのサイズ展開を実現。

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R×L MERINO】メリノウール ソックス

調温・調湿効果でどんなコンディションでも快適

メリノウールが持つ調温性・調湿性は過酷なレースでこそ力を発揮します。超長時間の使用でもクッション性が持続。例え雨が降っても濡れた感じがしないのも◎

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WILD PAPER [和紙ソックス]

いつまでも続くドライ感!和紙糸によるサラサラした肌触りが◎

和紙糸は、放湿性が高く、速乾力があるのが特徴。また、調湿性や消臭性が高いので、雨や汗などで濡れた時にもグジュグジュ感なく走り続けることができます。

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アパレル

長時間のレースでは、ストレスなく走ることが重要です。様々な環境の変化が予想されるウルトラマラソンでは、あらゆるシーンに対応できるウェアで挑みましょう。

【R×L MERINO】メリノウールウェア

抜群の調温・調湿効果!ストレスフリーのスーパーウェア

真夏でも過度に暑くならず、濡れてもストレスを感じにくく、汗冷えも防ぎます。天然のエアコン効果を持つメリノウールは、環境変化が大きいウルトラマラソンでその実力を発揮します。

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WILD DRY

超軽量&ドライタッチ WILD DRY

細いポリエステル糸を細かく編み込むことで、超軽量で吸水速乾性を実現。肌面を凹凸のあるワッフル形状に編むことで、雨や汗で濡れてもドライな状態を保ちます。パンツには6つの収納ポケットを完備しており、ジェルやアームカバーなどのアクセサリーを収納するのに便利です。

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その他ウェア
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アクセサリー

アクセサリー類は、使い方次第でパフォーマンスを効果的にアップできるアイテムです。天候や気温を考慮した上で適切なアイテムを選びましょう。

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R×Lサポートランナー(ウルトラマラソン)

R×Lでは、様々なアスリートをサポートしております。ウルトラマラソンランナーも例外ではなく、100km世界記録を達成したランナーや国際大会の日本代表選手など、多岐にわたります。ここでは、着用ソックスも含めて各選手をご紹介させていただきます。ぜひ、応援よろしくお願いいたします。

TEAM R×L
兼松藍子

2016~18 富士五湖チャレンジウルトラマラソン71kmの部3連覇
2019・22年 富士五湖チャレンジウルトラマラソン100kmの部優勝
2018年 IAU100km世界選手権個人総合5位入賞
2019年 IAU24時間走世界選手権日本代表 6位入賞
2023年 神宮外苑24時間チャレンジ優勝 / IAU100kmアジアオセアニア選手権日本代表 / IAU 24時間走世界選手権日本代表

着用ソックス:M-RACING

R×Lエキスパートアドバイザースタッフ
砂田貴裕

1998年のサロマ湖100キロウルトラマラソンにおいて、6時間13分33秒と当時の世界最高記録で優勝。以降20年間に亘り100Kmウルトラマラソンの世界記録保持者でもあった。

着用ソックス:SUNADA

R×Lアドバイザースタッフ
能勢結希

2003年~2005年 2007年~2008年 100kmワールドカップ日本代表
2015年~2018年 野辺山ウルトラマラソン71kmの部、4連覇

着用ソックス:M-RACING

R×Lシンボルアスリート
石川佳彦(日亜化学)

IAU24時間走世界選手権優勝。IAUアスリートオブザイヤー。2018年スパルタスロン(246km)優勝。24時走世界ランキング2016、2017、2019年1位
2019年、2022年、「バッドウォーター135」217km アメリカ 優勝

着用ソックス:WILD PAPER (5本指)

R×Lシンボルアスリート
風見尚(愛三工業)

砂田貴裕の記録を20年ぶりに更新したウルトラマラソン100km元世界記録保持者。6時間9分14秒
2019年 コムラッズマラソン3位
2021年 柴又100k優勝 大会記録
2022年 IAU100km世界選手権日本代表
2023年 IAU 100kmアジア・オセアニア選手権日本代表 5位入賞

着用ソックス:Type-N/ON