ハセツネ30Kリレーインタビュー⑤ 上田瑠偉選手【第6回(2014年)・第9回(2017年)優勝】

ハセツネ30Kリレーインタビュー⑤ 上田瑠偉選手【第6回(2014年)・第9回(2017年)優勝】

R×Lシンボルアスリート

上田 瑠偉選手

  • 来歴:
    2014年 2017年 ハセツネCUP優勝
    2016年 スカイランニングU-23世界選手権優勝
    2016年 UTMB CCC®準優勝
    2019・2022年 富士五湖チャレンジウルトラマラソン100kmの部優勝
    2019年 Skyrunner World Series年間王者

陸上競技からトレイルへの転身、ハセツネに挑戦したきっかけは?

ーー上田選手は駅伝の名門佐久長聖高校、早稲田大学を経て現在は、プロ山岳ランナーとして活躍されています。ずっとやっていた陸上からトレイルに活躍の舞台を変えたきっかけは何だったのでしょう?

上田瑠偉選手(以下:上田):僕は高校時代、怪我が多くてですね、、、その怪我の打開策というか、何かヒントになるものがないかと探してるときに、トレランを題材にした「BORN TO RUN」という本に出会いました。トレイルランニングの存在を知ったのもその時です。
当時は漠然と将来やってみたいなと思っていた感じです。大学進学後もサークルで陸上を続けていたところ、ある大会で以前のスポンサーさんである「コロンビア・スポーツウェア」の方にスカウトしていただきました。そのことがきっかけで、トレイルの世界に入りました。

ハセツネの魅力は?

ーーなるほど、そういった流れでトレイルを始めたという上田選手なんですが、ハセツネでは過去にも優勝されたりしていますが、今までの出場回数を教えてください。

上田:30Kの方は2014年と2017年の2回です。本戦(ハセツネCUP)は4回。出場したうちの2回優勝(2014年、2017年)、1回はDNF(途中棄権)だったと思います。

ーーこれまで数々の世界のレースに参戦している上田選手なんですが、ハセツネの魅力ってどの辺にあると思いますか?

上田:本戦の方で言うと、これまで30年以上続いているレースであるにも関わらず、”コースが変わらない”ところ。過去の自分との比較もしやすいですし、過去の選手とかのタイムとも比較しやすいことだと思います。

30Kの方は、初心者の方が初めやすいレースだと思います。特にアクセスにおいて都会から近いということ、後は大会が定めた必携品があるということで安心感もあります。初心者の方がレースデビューしやすい大会だと思いますね。

ハセツネのための準備・トレーニング

ーー初めてハセツネに出場する時、どのようなトレーニングを行って、どのような準備をしていたのでしょうか。

上田:本戦の方で大会新記録を出した時(2014年大会)は、優勝したいっていう気持ちもあったんですけど、まだ大学生でどちらかというと、陸上も頑張りたいっていう気持ちがあったので、トラックレースだとか陸上の練習をしていました。
プラス、そのシーズンがトレイルランニング2年目だったんですけども、初出場した
2013年に比べてもトレランのレースをたくさん出ていたので、山の経験値も上がっていた時だったのかなと思います。

ロードレースとトレイルの違い

ーー上田選手から見てロードレースとトレイルやっぱり全く別のスポーツですか?

上田:難しいですけれども、ロードも山を走ることもベースとなるのは「走力」で、それがが求められると思います。
ただ、トレイルの場合は、登りや下りを特殊な環境の中で走ることになるので、そういったところへの慣れや登るための筋力アップ、下りの技術っていうところもプラスアルファで求められるのかなと思いますね。

ーーそれだけトレイルはやっぱりコースのバリエーションも富んでいますし、それに対応していく能力っていうのも大いに必要になってくるというところもあるんでしょうかね?

上田:そうですね。なので、マラソンのベストタイムで劣っていたとしても、そのトレイルでの技術とか上りの適性みたいなところで上回ることができるのかなと思いますので、新しい自分の強さであったり、トレイルで活躍できる場があるかもしれないっていうのを見つける機会になるのかなと思います。

過去のハセツネで1番大変だったこと

ーーハセツネのレースに今まで出てきた中で、一番きつかったことは何でしょう?

上田:1つは初めて出たハセツネCUP(2013年)ですね。あの時はもう本当にトレイルランニング歴0年で、始めて数カ月&レース2戦目で右も左も分からない状態でした。半分手前ぐらいのところで水が切れてしまって、そこからゴールまで何度も足を攣りながら行くっていうのが地獄でしたね(笑)

ーーそういう地獄を見ながらのレースが初のハセツネだったんですね。

上田:そうですね。ただ、初めて70kmの山を走って、それまでロードで100kmを走ったことはありましたが、やっぱりその達成感は格別でした。

後は2回目の30K(2017年:短縮17km)に出た時もきつかったです。
当時の30Kは前半にロードが長かったのですが、その年の箱根駅伝の5区を走った選手が出場していました。その時にはもう本戦で優勝もしていたし、”日本のトップランナー”という自覚もあったので、「箱根に出たランナーかもしれないけど、ロードランナーには負けないぞ!」みたいなそういったプレッシャーもありました。そこのつらさもありましたね。

これからハセツネに挑戦する人、迷っている人へのアドバイス

ーー続いては、3月31日(日)のハセツネ30Kに参加する方、今後参加してみないみたいと考えている方に何かアドバイスみたいなものはありますか?

上田:やはり、”山への慣れ”だと思います。色々なところで聞くのは「一人だと山に入りにくい」という声です。先ずは、近くにやっている方がいたり、トレランの練習会などがあれば、ハセツネに初めてエントリーする前や初めてトレイルをやる前とかに、経験者の方と一緒に山に入るような機会を作っていくのがいいと思います。

ーーやはり1番いいのは、山で走るということに慣れていくっていうことなんですね。

上田:そうですね。それを経験することで、何が足りないってことも分かってくると思うんですよね。
マラソン大会みたいに5kmごとに給水がある訳ではなくて、自分でその分も想定してドリンクや補給食を持っていかなきゃいけないっていう装備の部分でも気付きがあると思います。走りの部分でも下りが怖いなとか、上りがしんどいみたいなところも事前に経験しておくことで、上りは歩いてペース配分しようとか、下りは慣れもあるんですが、誰かの講習会に行ってみようということになるかもしれません。

こだわりのアイテム

ーーありがとうございます。続いて必携アイテムというものがあると思うんですが、それ以外で特にこだわっているアイテムはありますか?

上田:やはり僕がこだわっているのはちょっとCMっぽくなっちゃうんですけど(笑)、ソックスですかね。
RUY SPEEDという僕がプロデュースしたソックスがあるんですが、本当に色んな機能が付いていて、足にもフィットします。今、シューズフリーという形でやらせていただいて、色々なシューズを試しながらレースに出たりしているんですが、このソックスはどのシューズにもマッチします。結構シューズのアッパーだったり、ソールと上手く嚙み合わないことがあるんですが、このソックスにはそれがありません。

ーーシューズを選ばないソックスということですね!

上田:後は、山で下ったりもするので、その分つま先が当たって摩擦係数も高くなると思うんですけど、このソックスはマジで破れなさすぎて「R×Lさん、儲けてんのかな?(笑)」っていうぐらいのソックスなんですけど、、、本当にそれぐらい破けなくて、耐久力抜群なので、是非皆さん試してほしいです。

ーーそうですね、上田選手のプロデュースしていただいたトレイルランニング専用ソックスというところですが、トレイルランナー以外にもロードでも使っていただいている方がいますし、R×Lのスタッフも1番普段の使用率が高いソックスとなっています。それだけ履き心地も抜群ですし、そういったところも好まれているポイントかなとなるかと思います。1度試していただくと良さが分かるのではないかと思います。

今日は上田選手に色々とお聞きしましたけれども、3月31日はハセツネ30Kの開催ということで、R×Lも全面的にハセツネ30Kを応援させていただくということで、ブースでの出展もございます。また参加者の方現地で例年ブースを楽しみにしていただければと思います。

上田:ブースでもRUY SPEEDは売っているんですか?

ーーはい、もちろん販売もしておりますし、ご試着も可能になっております。
本日は、上田瑠偉選手にお話を伺いました。上田選手、ありがとうございました!今年も1年頑張ってください!

上田:はい、頑張ります!こちらこそ、ありがとうございました。

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