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自転車のタイヤの適正な空気圧とはどのくらい?
自転車のタイヤに空気を入れることは当たり前にやっていますが「どれくらい入れればいいの?」「どんな頻度でやればいいの?」と悩むこともありますよね。
本記事では空気圧に関して自転車の種類別の目安や注意点などを紹介していきます。
ちなみにタイヤといっても細かくいうと骨組みであるホイール、その円周部のリム、そしてチューブがあり、チューブを包むようにしてタイヤをリムに嵌めている構造です。
「タイヤに空気を入れる」と言いますが、厳密には直接空気を入れるのはタイヤの内側にあるチューブになります。
空気圧を適切にする理由
整備等も含めて自転車を好きな方もいますがタイヤに空気を入れるのはやはり手間に感じると思います。
ついつい「明日でいいか」となってしまい次の日もまた同じように…というようになりがちですよね。
空気を入れてタイヤの空気圧を適切にすることのメリットを知れば、空気を入れるのもあまり億劫にならないのではないでしょうか。
走りやすい
なによりまず走りやすいということです。
毎日乗っていると段々と空気圧が下がっていることにはなかなか気が付きませんが、久しぶりに空気を入れたとき「こんなにも違うんだ」と乗り心地のよさに驚いたこともあると思います。
タイヤが空気でしっかりと膨らむことにより、地面との接地面が少なくなり摩擦が減ることで軽く走れるようになります。
自転車の動力は人力ですので、不必要な負荷を身体にかけずにすみます。
タイヤが長持ちする
タイヤと地面との摩擦が減るのでタイヤの消耗具合も抑えられるためタイヤの長持ちにもなります。
パンクの回避
空気圧が低いとタイヤとリムとの密着度も低くなり、走行中にタイヤが回転してしまって内側でチューブと擦れてしまいパンクの原因になります。
リム打ちパンク(スネークバイト)の回避
段差に勢いよく乗り上げた際、または勢いよく降りたときなどに、空気圧が低いと段差とリムの間にタイヤとチューブが強く挟まれてパンクしてしまうことがあります。
金属片によるパンクの回避
金属片はまずタイヤに刺さり、2度目に踏んだときチューブにまで到達してしまいます。
空気圧が適切でタイヤが硬く張った状態になっていれば1度目のあとに回転と共に取れるためかなり高い確率でパンクは防げると言われています。
空気はどれくらい入れたらいいか
空気圧は高い方が良いと考えがちですが、空気を入れ過ぎるとホイールからタイヤが外れてチューブがバーストしてしまう危険性があります。空気圧が低いときのリスクは先述した通りで、過不足なく適切な空気圧にすることが必要です。
本項では自転車ごとの"適切な空気圧"について解説していきます。
速いスピードを出したりオフロードを走ったりするスポーツバイクは、性能を楽しみながら安全で快適に乗るために特に空気圧には気をつけるようにしましょう。
単位
psiは主にヨーロッパで使われ、barは主にアメリカで使われておりこの2つが主流です。kPaやkgf/㎠などもあります。
車種ごとにどのくらいの空気圧が適正かという目安はありますが、実際には車種で決まるわけではなくタイヤで決まります。
適切な空気圧の範囲はタイヤ側面に「〇〇〜〇〇」と下限から上限が記載してあることがほとんどで、単位もいくつか併記されていることが多いです。確認してみてください。
【単位対応】
1気圧≒14psi≒1bar≒1kgf/㎠≒100kPa
ロードバイク
大まかに言うと適切な空気圧はタイヤが細いと高く、太いと低くなります。
細いタイヤで速く走るロードバイクは特に空気圧には気を付けましょう。
上限目一杯空気を入れた方がいいかというと必ずしもそうではありません。漕ぎ出しは軽いかもしれませんが乗り心地が固かったり、固いために跳ね返りが強すぎて長時間のライドに向かなかったりもしますし、スリップの確率も高くなりますので最適な空気圧を自分なりに探してみましょう。
同じ空気圧でも乗り心地は体重やフレーム、ホイールなどでも変わってきます。まずは適切な範囲の中間より少し高いくらいにしておき、乗りながら色々と試してみるのがいいと思います。最近のロードバイクのトレンドは、23c=高めの空気圧でしたが、25C~28C少し低めの空気圧となってきています。
参考までに私のロードバイクの空気圧はこちら 70㎏ 25C 6.3bar
※10年前は23cで7.5barと言われていました。
タイヤの銘柄、太さ、自転車を含む総重量、天候、路面状況、好み、によって変わりますので空気圧による乗り心地やグリップの違いなどを色々試して好みをみつけてみて下さい。
クロスバイク
ロードバイクと同じ要領でタイヤに表記されている数値を元に空気圧を調整していきましょう。
ロードバイクより太いタイヤが使われているためそれよりは低い値になります。
マウンテンバイク
ロードバイクと比べるとかなり空気圧が低くなります。上限がロードバイクの下限より低いということもあります。
オフロードでの納得いくグリップやクッション性を得るためにあえて表記されている下限より低い空気圧にすることもありますが、パンクやホイールを傷めるリスクは理解しておきましょう。
シティサイクル(ママチャリ)の目安
スポーツバイクではなくいわゆるママチャリに乗ってる方もたくさんいます。しかし空気圧に関してはあまり把握していない人がほとんどだと思います。
もちろんこちらも適切な空気圧で走ることをおすすめします。理由はスポーツバイクと同じく走りやすいこと、安全のため、自転車の消耗を減らせるためです。
しかしママチャリの場合は数値を見て厳密に空気圧調整をすることはないと思います。
一度タイヤを見てみるのもいいですがだいたい3気圧(44psi、3bar)くらいが適切となっていて"親指で強く押して少しへこむくらい"という認識で大丈夫です。
最初分かりづらかったらサイクルショップなどで空気を入れてもらいその固さを参考にしてもいいかもしれません。
バルブの特性
タイヤ(チューブ)に付いている空気入れを装着する金具をバルブといいます。
ママチャリにはそこまで厳密に空気圧を調整しなくても大丈夫と言いましたがそこには"あまりスピードを求めない街乗り"という自転車の目的以外にも"厳密には調整できない"というバルブの特徴もあるからです。
英式バルブ
ママチャリに使われているのがこのタイプで一般的にイメージされるのはこの形だと思います。
高い空気圧を入れることはできず、微調整や計測もできないのでロードバイクには付けられません。
バルブコア(虫ゴム)と呼ばれるものが入っており一年程度で劣化し、空気が漏れたり劣化がさらに進むと空気がまったく入らなくなります。
長所
もっとも普及しているため修理やパーツの入手が容易
短所
空気が漏れやすく微調整ができない
虫ゴムの交換が必要
仏式バルブ
ロードバイクなどスポーツバイク用のバルブです。
高い空気圧に耐えられて測定もでき、走行目的や路面の状況によっての微調整も可能です。
英式バルブ対応の空気入れだと高圧まで対応していない場合もあり、そのときは空気入れごと買い替える必要があります。
口金だけなら英式→仏式、米式→仏式にするアダプタがあるため持っておくと安心です。
ネジなしタイプもあり、仏式用の空気入れでも対応していないこともあるので確認しておきましょう。
長所
高気圧に耐えられて微調整、測定ができる
短所
英式バルブ用での空気入れは使えない
ラフに扱うとバルブコアを破損させてしまう
米式バルブ
マウンテンバイクやBMXなどに使われていて太くて頑丈です。
バイクや車と同じタイプなので空気入れがないときにガソリンスタンドなどでも空気を入れられます。仏式ほどではないですが微調整も可能です。
長所
耐久性があり空気が漏れにくい
微調整、測定ができる
短所
英式バルブ用の空気入れは使えない
丈夫なため重量がある
空気を入れる方法、頻度
タイヤに空気を入れるときはなんとなくの感覚でやるのではなくしっかりと数値で確認する必要があります。スポーツバイクに乗る人は圧力計付きの空気入れを使いましょう。
psiとbarが併記されているものも多いですが、psiは0〜170、barは0〜12などpsiの方が細かく刻まれているのでよりシビアに調整ができます。
その日のライドの予定次第ではありますが、ロードバイクは乗る前に毎回確認するくらいでもいいと思います。
スピードを出しますし、また部品が高価なものが多くなるべく破損、故障等につながることは避けたほうがいいためです。
マウンテンバイクやクロスバイクはそこまでの頻度は必要ないですが、オフロードや路面の状況などを考慮しながら1週間〜10日に1回は確認しておきましょう。
ママチャリに関しては2週間〜月1回くらいで大丈夫ですが、使用頻度、乗っていた重量などでも空気の減りは変わってくるため気が向いたら指で押してみてください。少ないようでしたら面倒くさがらずに空気は入れておきましょう。トータルではそのほうが手間が減ったり経済的だったりします。
全てのタイプにいえますが、空気を入れる際に空気入れを斜めに装着してしまったりするとうまく空気を入れられなかったりバルブ故障の原因になります。使用方法を一度確認しておきましょう。
タイヤを適切な空気圧にすることは快適に安全に乗るためにも必要なことです。
また自転車に乗る時のウェアも高機能なものを選ぶとさらに快適で安全なライドができるようになります。
まとめ
どんな種類の自転車でもスムーズに走れると気持ちがいいですよね。なるべく無駄な力を使わず故障や破損も少なく乗りたいものです。
しかしタイヤの空気は気にしていないとなかなか減っていることには気がつきにくいところですし、乗っているときに気がつくくらいだとかなり空気圧は下がっている状態です。
これだとパンクや自転車の破損の可能性が上がるだけでなく、制御が難しくなったり転倒のリスクも上がってしまいます。
パンクなどをしてしまうと手間も時間もお金もかかってしまいます。
減ったと感じてから入れるより、乗る前に毎回、月1回など予め決めておいてあとは使用頻度などを見て、その都度調整していってみてください。
これからも快適なウェアを着て快適にライドしていきましょう!