SOCKS RANKING
ピッチに散乱しているものはなに?サッカーW杯出場選手に見るソックス事情②
2022年11月20日に開幕したサッカーW杯。
日本代表は2大会連続のベスト16進出。惜しくも前回大会準優勝のクロアチアに敗れてしまいましたが、W杯はまだまだ続きます。各国のスター選手の活躍を楽しみましょう!
前回は、「セパレートストッキング」について紹介したのですが、今回は更にマニアックですが試合を見ていて気になる「あの部分」に着目していきたいと思います!
試合後にピッチに散乱する“何か”
最近では、日本代表サポーターのゴミ拾いや試合後の代表チームの清潔なロッカールームなどが世界中で賞賛され、話題を呼んでいます。
しかし、どの試合の後でも必ずと言って良いほどピッチ上にはゴミが落ちています。この映像にも青い何かが散乱していることがわかります。
この青いゴミは一体何なんでしょうか?
前回に引き続き、R×Lフットボールテクニカルディレクターの角田壮監氏に伺ってみました。
角田:この青いゴミのようなものは、ケガの予防、再発防止などに使用する「テーピング用のテープをサッカーソックスに巻いたもの」が剥がれ落ちたのだと思います。
SNS画像のような現象は、ワールドカップのみならず国内、海外プロリーグでも起きています。
なぜソックスにテーピング?その役割とは
ーーなるほど、テーピング用のテープなんですね!通常、テーピング用のテープは足首を固定したりするものだと思いますが、なぜ選手達はサッカーソックスにテーピングをするのですか?
角田:サッカーソックスにテープを巻き付けるのは、サッカーソックスを下腿部を覆うストッキング(セパレートストッキング)と足部を覆うソックス(セパレートソックス)を合わせて履く・セパレートソックスという履き方をした際の「重なり部分の固定」。そして「すね当てのずり落ちを防止」の2点です。
チームでセパレートストッキングが用意されてない場合、自身の事情に合わせたセパレートソックスを着用したい選手はにサッカーソックスを足首あたりでカットしてストッキングを自作します。それをセパレートソックスに被せて履くという工夫をしています。
選手が自らカットしたストッキングを短いサッカーソックスに被せますが、カットした切り口は、脚にフィットしません。そのままでは捲れ、ズレ、ずり落ちが生じますが、それを防ぐためにテープを巻きつけて固定しています。
切り口や重なり部分にテーピング用のテープで巻き付けることでソックスを安定させることを考えています。
ーーなぜピッチ上には剥がれたテープが散乱しているのでしょうか?
角田:使用しているのはテーピング用のテープですので、ケガの予防、再発防止、応急処置、プレー中の痛みを取り除くといった目的のためにメディカル向けに開発・製造されていて、肌に直接貼っても炎症を起こさない品質になっています。基本的には肌に貼るために製造されているので、編み物のサッカーソックスには適していません。
また、スポーツ専門店等でサッカーソックスに巻くためにということで販売されているカラーテープも、伸張率の低い生地のテーピング用のテープなのでサッカーソックスを安定させるために使用すると画像のような現象が起こることがあります。
LTSS公式サイト(LegToolSeparationSystem™)にテーピング用のテープをセパレートサッカーソックスに使用した場合の現象(課題)を動画にしています。YouTubeでも配信していますのでご覧ください。
現象1:テープの剥がれ
サッカーソックスに貼り付けることは本来の使用目的とは違うので動画のように、テープが捲れたり、剥がれてしまうことがあります。その対策としてテープの捲れ、剥がれがないようにテープを二重、三重に巻き付けてしまいます。
現象2:足首周辺の過剰な固定・圧迫
テープを二重、三重に巻き付けると、捲れや剥がれは改善できるが足首周辺が過剰に固定、圧迫されてしまうことから違和感が生じる。締め付けが強すぎると筋肉の動きや血流にも影響を与えてしまいます。
セパレートソックスとセパレートストッキングは何で固定するべき?
ーー従来のテーピングがセパレートソックスを固定するのに向かないのは理解できました。試合中に落ちてしまっては意味がなくなってしまいますね。どのようにしてセパレートソックスとセパレートストッキングを固定するのがいいのでしょう?
横方向のストレッチに優れ、脚にフィットしやすく、高度な製造技術があれば適切なホールド性を作り出すこともできます。
国内、海外を含めサッカーソックスのセパレート化においてソックスとストッキングの繋ぎ目の開発に取り組んでいるのはLTSS仕様のR×Lフットボールソックスだけかもしれません。
セパレートソックスがミドル丈であれば、テープやバンド、ベルトを使用しなくても肌が露出してしまうことはありません。既に、Fリーグのボルクバレット北九州(【公式サイト】 ボルクバレット北九州)で2シーズン使用していただき品質については検証済みです。
本当にテープはいらないのか?
この着用方法の場合、セパレートソックスとセパレートストッキングの重なり部分が約15cm位になります。
これらを踏まえて、より素脚感覚の履き心地で、脚へのストレスを解消したいと考える指導者や競技者に提案したいのが、究極の繋ぎ”の品質、LTSS SEAMLESS QUALITY®︎(LTSS SEAMLESS QUALITY®︎)です。
また、R×Lフットボールテクニカルディレクターとして開発に関わらせていただいたセパレートソックス、セパレートストッキング製品とLTSS仕様の専用テープについても併せて紹介します。
LTSS SEAMLESS QUALITY®︎設計における4つのポイント
- SST:セパレートストッキングの裾口設計
- SSC:セパレートソックスの履き口設計
- SSC(②)とSST(①)のジョイント方法
- SCT:専用テープ。柔軟・粘着・軽量・素脚感覚
-
SST:セパレートストッキングの裾口設計
SSCとの繋ぎ目部分となる裾口は、ストレッチ性の高いリブ編みを採用しています。繋ぎ目部分の位置は筋肉の動きが少ない足首周辺にすることで、フィット感と適度なホールド性を実現することができます。
-
SSC:セパレートソックスの丈と履き口設計
SSTとの繋ぎ目部分となる履き口は、SSTを繋ぐ位置に合わせた丈となっております。SSTとの繋ぎを意識したフィット感と、ズレや、ずり落ちしない確かな品質となっております。
-
SSTとSSCを繋ぐ方法SSTとSSCそれぞれにあるリブ編みの繋ぎ部分 5cmで組み合わせることを推奨しています。また、筋肉の動きの小さい部分で繋ぐことで、ジョイント部分を少なくし、より 素脚感覚の履き心地で脚へのストレスを削減することができます。
-
SCT:柔軟・粘着・軽量・素脚感覚
前述の課題であったテープの現象を分析し、剥がれや、めくれ、ソックスのズレやずり落ち、足首周辺の圧迫の課題を改善するための粘着性と柔軟性の両立と軽量化を実現したサッカーソックス専用テープ「サカストテープ®」を開発しました。
サカストテープ®︎はサッカーソックスの生地の伸縮率に合わせてつくられており、伸張方向もプレイ中のサッカーソックスの動きに対応する独自の設計となっております。
サッカーソックスにテープを巻く、テープで固定するといった考えとは異なる新しい発想のLTSS SEAMLESS QUALITY®︎は、セパレートサッカーソックスを安定させるだけではなく、脚の動きを妨げない、脚の機能を妨げない、柔軟・粘着・軽量、唯一無二の確かな素足感覚”の品質です。 足とシューズの最適化を図り、サッカーソックスをセパレートにしていながら重なりや、繋ぎの部分が気になる選手や、選手のパフォーマンス向上を足元から見直している指導者の皆様にはお試しいただきたいアイテムです。
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出す Leg Tool Separation System
角田壮監(かくたまさみ)
システムコーディネイター/フットボールクリエイターとして様々なプロジェクトを立案、プロデュース。社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにトップアスリートのマネジメントや次世代ニーズを見据えた魅力あるスポーツシーンの創出に努めている。R×Lフットボールテクニカルディレクター。
2022年〜
(公財)日本体操協会パルクール委員会委員、(公財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会スタッフ
2018.9-2021.10 LDH JAPANアスリート部門統括責任者
2017-2018 東京ヴェルディBSチームディレクター
2013-2018 ラモスプロジェクトディレクター
2012 第1回東京都ユース(U15)フットサルリーグ代表
2007 JFAサッカーコーチB級取得
指導者として2003 全日本ユース(U15)フットサル大会 東京都大会優勝など、優れた指導歴を持つ。
2002 アシックスフットサルシューズ・カルチェット、デスタッキシリーズ考案
1997ビーチサッカー世界選手権リオデジャネイロ大会日本選抜スタッフ
ほか、経歴多数