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サッカーシューズの素足感覚を邪魔するのは?
皆さんにとってスパイク(サッカーシューズ)はサッカーを楽しむ上で欠かせないアイテムのひとつだと思います。
そんなスパイクも、多くのメーカーが複数のモデルを開発し、トッププレイヤーが愛用するモデルも三者三様です。そのため、結局のところ「いいスパイク(サッカーシューズ)の条件はなんだろう?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
R×Lフットボールテクニカルディレクターの角田壮監氏(KAKU SPORTS OFFICE)にお伺いしてみたいと思います。
「ピッチの状況」と「素足感覚」
ーー前述したように、結局のところ「いいスパイク(サッカーシューズ)の条件はなんだろう?」という疑問を持つ方も多いと思うのですが、どのようにお考えでしょうか?
角田壮監氏(以下:角田):いいサッカースパイクの定義は、使用する選手が決めるものですので、このスパイクがいいとは評価することはできません。
サッカースパイクの優劣を語るには「品質」や「完成度」といった部分からお伝えできるとよいかもしれません。品質、完成度はメーカーが責任を持って提供するものです。選手は、品質、完成度が保証されたサッカースパイクから自分に合ったスパイクを探すことになります。
①ピッチ状態に合わせたアウターソール選び
- ハードグラウンド(HG) 硬いピッチ
- ファームグランド(FG) 短い天然芝ピッチ
- アーティフィシャルグラス(AG) 人工芝ピッチ
- ソフトグラウンド(SG) 地盤の柔らかいピッチ 滑りやすいピッチ
- ターフグラウンド(TF) 硬い地盤の土や人工芝ピッチ
- カンガルー革:最高品質素材、薄さ、軽さ、豊かな柔軟性、足に馴染みが最良。
- カーフ革:最高品質素材、仔牛の革、豊かな柔軟性、カンガルー革より耐久性あり、足馴染みが最良。
- ステア革:耐久性に優れ、柔軟性あり、使い込むことで足に馴染みが良い。
- 人工皮革:軽量、耐久性、防水性、型崩れしにくい。手入れが簡単。
- ニット素材:軽量、伸張性、カラフル。
②自分の足型に適したスパイクを選び
角田:次に自分の足型に適したスパイクを選びます。
- 足長(レングス):足の長さcm
- 足幅(ワイズ):横幅 E
- 踵
- 甲の高さ
素足感覚をモレリア2以上の表現で伝えるものはないのです。アウターソールの確定後は「踵のフィット感」を基点に足にフィットするサッカースパイクを選びましょう。
サッカースパイクだけでは素足感覚はできない
ーーそういった品質の高いスパイクを自分の足に合わせて選ぶことが大切なんですね。
角田:そうです、しかし注意しなくてはならないのは、サッカースパイクと足の間にはソックスが存在するため、どんなに素晴らしい完成度の素足感覚のスパイクが供給されてもソックスの品質に課題があったり不適切な着用方法では、サッカースパイク本来の履き心地にはなりません。
ソックスがズレていたり、たるんでいたりすると靴擦れで肌を痛めてしまいます。不適切な素材や編み方のサッカーソックスですと、シューズ内で足が滑ってしまったり、汗などで蒸れてしまうとよい履き心地ではなくなってしまいます。このようにソックスが素足感覚を邪魔していることもあります。
サッカースパイクの素足感覚の品質を体感する足に触れているのはスパイクではなくソックスです。名品ミズノ社・モレリア2を着用する際に、異なる品質のサッカーソックスを着用した際のモレリア2の履き心地は変わってしまいます。高品質なソックスを正しく着用することでサッカースパイクの履き心地やわずかなフィット感を調整することができます。
ソックスこそが素足感覚実現の鍵を握る
ーーなるほど、素足感覚を実現する上ではスパイクだけでなくソックスも重要なんですね。
ーーどんなソックスを選ぶのが良いのでしょうか?
角田:素足感覚のソックスの選びのポイントは、機能ではなく品質で選ぶことです。シューズ内の足を覆う部分のセパレートソックスの役割は、靴擦れなどによる肌のトラブル予防と足とサッカースパイクのフィット感をより良くすることです。
私が考案したLTSS(完成されたセパレートサッカーソックスの仕組み※詳しくはコチラ)では、足とシューズの最適化を実現する素足感覚のセパレートソックスについて6つの品質を定めています。
- 競技規則第4条と大会規程を遵守
- 靴内の肌の保護と着用時の肌触り
- たるみ・ずれ・ずり落ちなし(左右別)
- 運動に適切な伸縮と耐久性
- 調湿調温
- セパレートサッカーソックス仕様の履き口
ここでの2〜4項目が足とシューズの最適化を作り出す素足感覚のソックス要素です。
2.「靴内の肌の保護と着用時の肌触り」は、足に与える感触の良さの品質です。サッカースパイクの内側はソックスを履くことを前提に製造されています。耐久性を考慮した素材、縫製によるわずかな段差もあることからシューズと足の間に存在して肌に直に触れるソックスの肌触りの良さや肌のトラブル予防は素足感覚の重要な要素です。
3.「たるみ・ずれ・ずり落ちなし(左右別)」は、ソックスを履いていないかのような履き心地、足とソックスのフィット感を作り出す品質です。シューズ内の足を覆う部分のたるみや、ずれは、履き心地の悪さだけでなく靴擦れの原因になり皮膚のトラブルによってプレーできなくなることにもつながります。ずり落ちは、足首部分の不快な感触、踵にまで及ぼすことがあれば、靴擦れの原因にもなります。たるみ・ずれ・ずり落ちなしの品質の見極めの一つの基準が左右非対称で立体製法です。
4.「運動に適切な伸縮と耐久性」は、たるみ・ずれ・ずり落ちなしとの共存でプレー中も足とソックスがフィットしている状態を維持する品質です。足の構造は細かな関節や腱によって構成され、足や足関節はダイナミックに動く部分や状態によって柔らかくゆっくり形状が変わる部分など多様な動きをします。その足の動きや機能に適応する品質でもあります。さらに、柔軟性に相反する耐久性とのバランスをとることでサッカーに適したソックスの品質を実現する項目としています。
5.「調湿調温」は、汗や蒸れ対策の品質です。素材や編み方の工夫によって吸汗性や速乾性を高めることで足が蒸れてしまうことでの不快感や足がふやけてしまうことで生じる皮膚のトラブルを解消することの必要性をあげています。
この4項目の1つでも不足してしまうと、サッカースパイクの本来の品質を体感してもらうことはできないです。例えば、肌触りがよくないソックスを履いた場合。運動に適した伸縮性がないソックス、ズレてしまうソックス…..。
この4つの項目の条件を備えているソックスをサッカースパイクのインナーとして着用することで、素足感覚のサッカースパイクの本来の品質を選手が体感できます。
現段階のサッカースパイクは、サッカーソックスとの連携は必要で、サッカーソックスはサッカースパイクと選手の足の間にある存在として、サッカースパイクの品質の最大化を担うことが競技者の素足感覚を作り出すことにつながると言えます。
ズレないために設計されたソックス選び
最近、サッカースパイク内で足が滑るということからグリップソックスを選ぶ選手が増えていると聞きます。アシックス社、ミズノ社といった老舗スポーツメーカーのサッカースパイクの品質からは考えづらい現象で、確かな品質のサッカースパイクとソックス、正しいシューズ選びで足とシューズがフィットしていれば起きる現象ではないはずです。
もしかするとサッカースパイクと足が滑っているのではなく、足とソックスがズレているのではないかと考えてしまいます。足裏の素足感覚も大切にしたい選手は、サッカースパイクと足がズレているのか?サッカーソックスと足がズレているのか確かめてみるとよいかと思います。
素足感覚のセパレートソックスの6つの項目の中でも「ずれない、たるまない、ずり落ちない」はとても重要な品質です。サッカーソックスだけでなく、日常使いの靴下が靴内でズレたり、回ってしまうといった経験をしたことはないでしょうか。この「ずれない、たるまない、ずり落ちない品質」については、RxLソックスがランニングソックスでの実績で証明している独自の設計に注目しました。
特に、マラソン、トレイルランニング、ウルトラマラソンなどでもソックスがずれない、たるまない、ずり落ちないことや、グローバルシーンで活躍するランナーのコンペティションでの結果と足を守り続ける品質はサッカーに有益な技術です。RxLのランニングソックスでサッカーのセパレートソックスとして使用できるものもありますので、別の機会に紹介します。
かかと、中足部、前足部、指先のフィット感
サッカーシューズを素足感覚で着用するためにソックスを履いた足を確認してください。
ソックスを履いた時も、かかと、中足部、前足部、指先のフィット感が大切です。
- ソックスのかかとの部分がズレていないか?
- 土踏まず(アーチ)部分でたるんでないか?
- 前足部(横アーチ)はフィットしているか?
- 指先(足指)は、ブカッとしていないか?
- 五本指ソックスの場合、指先のダブつき、窮屈、指の間に違和感はないか?
- ソックスと足が滑っていないか?
このように、ソックスを履いた足を素足のような状態にしてから素足感覚のサッカーシューズを着用することで足とシューズのフィット感をよくすることができます。
シューズを履く前の「ソックスを履いた足への意識」でライバルとの差をつけてください。
素足感覚を邪魔しない RxLサッカー・セパレートソックス
素足感覚実現するための条件・品質を備えたR×Lのセパレートソックス。
現在。好みの形状と厚さを選べるように4種類のラインナップがあります。
RIO DE JANEIRO セパレートソックス 薄地(5本指) FG-1000
一つめは生地が薄く5本指ソックスで、究極の素足感覚を目指した「RIO DE JANEIRO セパレートソックス 薄地(5本指) FG-1000」です。
SAO PAULO セパレートソックス 薄地(ラウンド) FG-2000
二つめはこちらも生地が薄くラウンド型のソックス、同じく究極の素足感覚を目指した「SAO PAULO セパレートソックス 薄地(ラウンド) FG-2000」です。
OKINAWA セパレートソックス 中厚(5本指) FG-3000
三つめは中厚で5本指ソックス、スタンダードな履き心地ですがアンクル・ヒールロックで抜群の安定感を発揮する「OKINAWA セパレートソックス 中厚(5本指) FG-3000」です。
TOKYO セパレートソックス 中厚(ラウンド) FG-4000
最後は中厚でラウンド型のソックス、同じくタンダードな履き心地ですがアンクル・ヒールロックで抜群の安定感を発揮する「TOKYO セパレートソックス 中厚(ラウンド) FG-4000」です。
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出す Leg Tool Separation System
R×Lフットボールテクニカルディレクター 角田壮監(かくたまさみ)足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出す Leg Tool Separation Systemを考案。 社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにトップアスリートのマネジメントや次世代ニーズを見据えた魅力あるスポーツシーンの創出に努めている。現、(公財)日本体操協会パルクール委員会委員、(公財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会スタッフ 【経歴】
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